お知らせ5月号から抜粋1〜「黒字」にすれば「資金繰り」は楽になる
中目黒総合事務所(税理士 廣岡実事務所)では、毎月お客様に「事務所通信」をお送りしています。皆さまのご参考に、一部抜粋してお届けします。
「黒字」にすれば「資金繰り」は楽になる。
国税の中でも特に法人税と個人所得税は、あくまでも「儲かった一部を払ってくださいね」という仕組みになっています。
ということは「税金を払った残りの分は、必ず手元に残る」仕組みなのです。
言い方を変えると、
「法人税等を払わないと手元にお金は残らない」
これがなかなか理解して戴けないんですね。
どうしても法人税等を払いたくないなら、赤字にすれば良いんです。
簡単なことです。
しかし、赤字ということは「会社にお金が足りない」状態を意味します。
赤字決算の貸借対照表をみると、現金預金が少なかったり、負債の部に「借入金」や「未払金」が並んでいます。
これらは「払うべきなのにまだ払えていない=その分、お金が会社に足りない」と言うことを表しています。
これは簿記会計、税務会計の「真理」。
なかでも社長が個人的に立て替えることで生じる「役員借入金」や「役員給料未払金」というのは、自覚症状が薄いのか「会社にお金が足りない状態」と感じない方が多い。
ほとんどの顧問先様はそうだと思うんですが、銀行からの借り入れがある方は、赤字の状態が続くと資金繰りが非常に忙しくなります。
これが、騙されたと思って黒字を3年から5年続けてもらうと、
「そういえば、なんとなく資金繰りが楽になったなあ・・・」
と必ず感じてもらえます。これは信じてくださいとしか言えません。
ところで、「黒字」にするということは、必ず法人税等を払いましょうと言うことなので、ある意味、節税とは対極になるかもしれません。
黒字に出来て更に節税になる方法(=税額控除の方法)はないことはありませんが、フツーの会社では使えるものがない。
だからといって、当事務所は節税策はなにもしないのかというと、そんなことはありません。
やるべき節税は改めてお願いされなくてもやっています。
顧問先様の納税額がことさら多くなることなんか望んでいません。要するに皆さんが望む、「税金が消えて無くなる」というワザはあり得ないんです。
それなのに、やっぱり耳障りが良いのか、いまだに
「ウチはこんなに節税しますよ・・・」
と謳っている税理士がいて、そんなにうまい話があるなら俺もパクッちゃおうと、一般企業のフリして、大枚3万円もはたいてある税理士が書いた「節税ハンドブック」なるものを購入したことがあります。
中身は一般の方が見ればなんとなくバラ色に写るのかもしれませんが、子細に見ると、そんなこと言われなくてもすでにやってるよ!という方法ばかり。
その他は「普通の会社では出来ないワザ」だったり、「確かに税金は安くなるが、その分、別の出費が増える・・・」という方法か「今はこんなに節税になります(→しかし、然るべき時にはきちんと課税されます)という「税の繰り延べ策」があるだけ。
これが、お代3万円で世の中に出せる行為がすばらしい。感心します。